『部活始め。18時、東京宝塚劇場前集合、月組公演観劇』・・・ということで、B席11連番横並びで月組公演『舞音/GOLDEN JAZZ』を観てきました。
さて、まずはミュージカル「『舞音-MANON-』 ~アベ・プレヴォ「マノン・レスコー」より~」。そもそもということになってしまうが、この物語は『マノン・レスコー』の枠組みを借りる必要があったのだろうか? ・・・と思ってしまいました。物語としては悪いとは思わないのですが、『マノン・レスコー』に言われて観せられると『どこが?』という感じが否めない。
・・・というか、そもそも今の月組に『マノン・レスコー』は無理だって(・д・)
『マノン・レスコー』のとんでもない女であるマノンを愛するデ・グリューが鮮やかに墜ちていく姿が描かれている作品だと思います。基本的にマノンに同情が集まっちゃいけないのだろうと。でも、この『舞音』では明らかにマノンが悲劇のヒロイン。う〜ん(@_@) マノンって言われてなければ、そんなに気にならなかっただろうに・・・
物語は概ね原作のように進むのですが、ベトナムの独立運動を絡めてしまったことによって、マノンが時代に翻弄された感が出てしまい、流刑前の逮捕に自業自得感が無い。だから、舞音に同情が集まってしまって、シャルル(デ・グリュー)がマノンに翻弄されている感が薄まってしまったように感じました。こうなってしまっては愛希さんの独壇場、話は舞音中心に動き出してしまいます。
よって、ここまで来ているのなら、『マノン・レスコー』からインスピレーションを得たとしても、もう一段階、飛躍して別の作品として成立したような気がするだけに、マノン縛りが勿体なかったと思います。
お芝居については、僕が月組の問題点だと思っている実力と配役の不釣り合いが相変わらず続いているなぁという感じ。キャスティングを見直すだけでも随分、作品の印象は変わるのではないかと思います。
グランドカーニバル『GOLDEN JAZZ』は可愛らしいショーでした。あんまり、ジャズな感じは無かったような気がしますが、観ていて楽しいショーだと思いました。ただ、今回の観客参加型の演出はいかがなものかなと。席にもよると思うけれど、音響のバランスがおかしくなっていて、観客のミニ・タンバリンが鳴り出すと、歌が良く聞こえない場面もありました。
ただ、今回のショーは観ていて少しスッキリしてきたような気がします。珠城さんが2番手となって、今までどこか遠慮がちだったショーの構成が良くなったのだろうと思えました。珠城さんの場面で暁さんと踊っている場面を観ていると『これから成長してくれるなら、この2人で1、2番でも良いかな』と思ってみたり。
さて、個人的なお気に入りはロケットの曲が『My Fair Lady』の『On the Street Where You Live』だったことと、ロケット後の愛希さんのダンスシーン。娘1の場面は珍しいと思いますが、もはやそういう枠組みでは捉えられない感じの愛希さん。場面を牽引する力をきちんと持っているからこその場面だと思いますが、できればもう少し正統派の凜としたダンスの場面を観たいような気もしました。
トップスターの退団が発表され、次期が誰かに注目が集まる月組ですが、早く正統派なショーが観られるようになることを切に祈っております(-ω-)