『ガイズ&ドールズ』宝塚歌劇団星組(2)★

(この記事はいずれ2015年9月27日 @ 22:30に移動します)

宝塚歌劇団星組公演『ガイズ&ドールズ』。宝塚大劇場での前楽の観劇です。席に座って開演を待っていると月組の生徒が入ってくる。誰かなぁ・・・と観ていたら一番近いところに美弥るりかさんが来たので、何となく美弥さんを観ている間に他の人も席に着いてしまったので結局、他に誰が来ていたかは分からなかった。

さて、2回目の観劇。トップコンビの素晴らしさは少しも揺るがない。・・・ということで、その他の役について少しずつ。

まずは、紅ゆずるさん演ずるブロードウェイのクラップ・ゲームを仕切るネイサン・デトロイド。手下の3人組との軽妙な掛け合いはさすがの貫禄。ただ、少し軽い方に触れすぎだったような気がする。前作『黒豹の如く』の時もそうだったのだが、怪しい感じや軽い感じの表現の幅は凄くあるのだけれど、それと落ち着きや品の良さを共存させるのが苦手なのかも知れないように感じる。今回も人柄の良さは伝わってきたが、街の地下ギャンブルを仕切るような男はある種の気高さや誇り高き感じがあるはずだと思うのだが、それはあまり感じられなかった。まぁ、それがなくてもネイサンは成立していたから良いのだけれど。

ネイサンの婚約者で14年も結婚を待たされているショーガール、アデレイド。演じるのは礼真琴さん。そもそも男役の礼さんだけれど、娘役は『風と共に去りぬ』のスカーレットに続いてとなる。ショーガールとしての場面が2場面ありますが、歌って踊る姿も男役を感じさせることなく、とにかく可愛い。今回はヒロインが芯の強い役で、アデレイドが恋人に惚れ込んでいる役なので、アデレイドの一途な可愛らしさが引き立っているのかもしれません。個人的には『アデレイドの悲嘆』やサラとの『今日こそ結婚』など遺憾なく歌唱力を発揮している辺りが好きな場面。前回観た全国ツアーも良かったが、次の作品で男役を観るのが楽しみだなと思う。まだ、7年生だとはとても思えない。

ネイサンの手下の3人組のリーダー的存在、ナイスリー・ナイスリー・ジョンソンを演じる美城れんさん。ついこの間まで、気品高くルイ16世を演じていたのに、今回は肉布団を着てのお調子者の役。役幅の広さに驚かされます。動きづらいはずなのにダンスにはキレがあるし、歌はさすがの安定感、お芝居の間も抜群。どの場面でもナイスリーが登場すると何かが起こっているような気がして、つい注目してしまう。主題歌である『ガイズ&ドールズ』、本来はナイスリーのソロである『座れ、船が揺れる』などではしっかり聞かせてくれる。やっぱり、歌って踊れるのは大切。

昨日はあまり気にしないで観ていましたが、2003年の月組再演時に比べると随分と演出が変わっています。幕開きが変わっているのは分かりやすいのだけれど、その後のブロードウェイの場面も映画の感じに近づいている感じ。また、最後の『座れ、船が揺れる』も繰り返しの回数が減っていたりする。今の星組にあわせて、きちんと演出も見直されている感じがしました。

2回目ですが、見所が多いので見逃している場面がまだまだありそう。それにしても長く上演されている作品だけあって、やっぱり凄く良い作品だと思います。

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