雨…雨…雨…
久しぶりの観劇だというのに朝から雨。別に外で芝居を見るわけではないのだけれど、快晴の空のもと、駅から劇場までのお散歩を楽しみたいのに少し残念。
宝塚の観劇も『ベルサイユのばら』『オーシャンズ11』と1本ものが続いていましたが、今日は芝居とショーの2本立て。1本ものは確かに面白いのだけれど、やっぱり宝塚はショーも無いと寂しい。観る方はワガママなものです。
さて、ミュージカルプレイ『モンテ・クリスト伯』。アレクサンドル・デュマ(父親の方、『椿姫』の作者は息子)の作品を日本では明治時代、黒岩涙香が『史外史伝巌窟王』として翻訳し、親しまれていた作品である。本作品とは全く関係ないが、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』を最初に完訳したのも黒岩涙香で『噫無情』という邦題を付け、長らくその題名で親しまれた。しかし、『巌窟王』は主人公エドモン・ダンテスを団友太郎という日本人にしてしまっているので、別物感が強いのですが………
簡単にいってしまえば復讐劇である『モンテ・クリスト伯』。友人に陥れられて投獄された男が14年後に脱獄し、しっかりと準備をして復讐を遂げていくエドモン・ダンテスの姿を描いているのですが、感想としては『よく90分ちょっとのミュージカルで収まったなぁ』という感じ。
難解なストーリーの場合、世界観や物語の背景をどう伝えるかが問題になります。多く使われる手としては狂言回しを立てて、シーンとシーンの間を説明しながら展開していく場合が多い。でも、今回の作品では劇中に「『モンテ・クリスト伯』を上演する演劇部の先生と生徒」と登場させ、先生が生徒に解説する形を取って、人物の関係や序盤の分かりづらい部分を解説していた。
・・・違和感がハンパなかったわけですが、内容の分からない観客を置き去りにしないために必要な工夫なのか。でも、個人的には開幕からダンテスが投獄され、脱獄にに至った経緯は本編の中で見事に分かりやすく描かれていたと思う。なので、謎の「演劇部」を登場させずともと思うのですが、いや「誰が観ても分かる」というラインをどこに引くのかということなのかな。今度、月組ファンの母が珍しく宙組を観に行くらしいので感想を聞いたみたいと思います。
個人的には決闘のシーンが好きです。たぶん、そうなるんだろうと思った方向に展開していってくれたので、安心して観ていられたのと、ハッピーエンド好きとしては大満足なミュージカルでした。
ショー『Amour de 99!!』は100周年に向けて、過去のショーの再演部分を含む作品なのでとても王道的な宝塚のショーでした。それだけに凰稀さんのダルマが強く印象に残りましたが(^^; そんな中でも朝夏さんと実咲さんの怪盗のシーンが良かったなと。シンプルなシーンですが、宝塚らしいウィットに富んだ感じが素敵でした。
ただ、全国ツアー用に舞台装置やを極力使わないようにしている感じられたのは気のせいか・・・(@@)
この数年、宙組の大劇場公演は欠かさずに見に行き、かなり下級生まで顔と名前が一致しているので、個人的にはとても観やすい。昨日が初日なので、もう一度ぐらい観に行きたいのですが、月末から来月にかけてはなかなか行けないだろうなぁ・・・