休憩が開けまして、後半はロマンチック・レビュー『Amour それは・・・』。こちらは2009年に宙組で初演されたレビュー。演出は岡田敬二さん。宝塚王道のショーで、最近の派手な演出とは一線を画す落ち着いた上品な雰囲気のショー。
幕開き。緞帳が飛ぶと、暗転幕越しに北翔さんの姿が、と思ったら、ライトが消える。どうやら間違いだったようだけれど、いかに宝塚といえども、昨日の夜に大宮ソニックでの公演を終えて、この時間に公演しているわけですから、いろいろありますよね、と少し安心もします。そんなことに目くじらを立てても仕方ない。
ショーはオープニングから『歌劇団』のショーという雰囲気に溢れる始まりでした。北翔さんはもちろんのこと、相手役の妃海風さん、それに続く礼さんの歌も素晴らしい。ショーとして楽しい作品はたくさんあるけれど、歌で聞かせるショーは随分久しぶりに観た気がします。
圧巻だったのは第14場『メドレー』。CS放送の宝塚専門チャンネル『TAKARAZUKA SKY STAGE』の番組だった『Musicパレット』がディナーショーになって、ビルボード・ライブになって、とうとうショーの一場面に。トップスターがソロをとるのは珍しいことではないけれど、3曲もメドレーで歌うことは滅多にありません。
始まりは『(Get Your Kicks On) Route 66』。そして、圧巻だったのは客席降り。『Can’t Take My Eyes Off You』でステージ下手側から降りて、中通路まで移動して、下手側に行くと最下手の通路を一気に客席最後列まで。ここで大きな歓声が沸きました。なかなか、中通路よりも後ろに行くことはありません。そこから下手通路に戻って、中通路に戻り、上手通路を最後列まで行き、最下手の通路で中通路まで戻り、ちょっとだけ、最上手の前通路に入って、戻って、上手通路を通ってステージに戻るのかと思うと、お客さんの手を取ってMC。そして、『Mr.Lonely』。
この場面での客席の熱狂たるや普段の宝塚の舞台では観ることのできない全国ツアーならではの光景でした。それは単に一部の北翔ファンが盛り上がっていたのではないのだと思います。たぶん初めて宝塚を観る人、全国ツアーでここに宝塚が来るのを楽しみにしていた特に贔屓のないお客さんも多いだろうにあの盛り上がりぶり。それはスゴイことだと思います。この2時間ぐらいで会場全体を味方に付けた結果のパフォーマンスに見えました。
そして、黒燕尾の群舞。階段の最上段に降りるサスペンション・ライトに向かって歩いて行く北翔さんの後ろ姿はとても凜としたものでした。全国ツアーなので小さな階段でしたが、それでも群舞として見応えのあるものでした。何となくだけれど、黒燕尾だけは技術だけではなく経験値がズッシリと乗っかってくるのだろうなぁと思います。そういう意味でも、技術も経験もある北翔さんの黒燕尾は大劇場の大階段になったら、どうなるのだろうと期待の高まるものでした。
そして、パレード。エトワールは妃海さん、続いて麻央侑希さんと十碧れいやさん、礼さん、十輝いりすさんと続いて、最後に北翔さんが登場。大きな羽根を背負って、センターに現れる。歌いながら前に進んでくる北翔さん。
『良かった、良かったねぇ、北翔さん〜〜(ToT)/』
号泣・・・
観に来て良かったと熟々感じたフィナーレ。次に北翔さんを観るのは大劇場だ。大劇場の大階段の真ん中でトップ・ピンで照らされる北翔さんを観たら、また号泣するような気がする。帰りの100キロのドライブはとても清々しいものでした。
(この記事はいずれ2015年6月24日 @ 23:40に移動します)
トップの心意気にまた≪ブーム≫がやってきました。
そもそも宝塚は北翔さんに目覚めさせられたので、当然なのですが。
あの公演を1日2回、3日連続で、しかも毎日移動。
神様です。
コメントありがとうございます。
『歌』劇団を最高に楽しめるトップスターの登場であることは間違いないと思います。
あの技術にあのサービス精神ですから、これからどんな作品が上演されることになっても、楽しませてくれると思います。
これからしばらくは宝塚に通う機会が増えそうです。