『カリスタの海に抱かれて/宝塚幻想曲』宝塚花組

今日は東京宝塚劇場へ。演目は一昨日、東京初日となった花組公演『カリスタの海に抱かれて/宝塚幻想曲』。

まずはミュージカル『カリスタの海に抱かれて』。脚本は大石静さん、演出は石田昌也さん。この組み合わせは2011年の宙組公演『美しき生涯』以来かなと思います。

色々なところで見る大劇場のレビューがあまり芳しくなかったので心配していましたが、個人的には十分に楽しめました。ストーリーの骨格はオーソドックスな三角関係なのですが、フランス革命期の地方の島の独立を巡る人間模様と絡めて、テンポの良く展開されていき、結末もハッピーエンドと後味も良い。主演の明日海さんは司令官として赴任してきた青年将校カルロがよく似合い、芹香さんも独立運動グループのリーダー・ロベルタという力強さの必要な役どころをしっかりと演じていた。とにかく今の花組は役者の個性に偏りがなく、バランスが良いので、キャラクターが立ち、それが物語の推進力になっているような気がします。

ただ、バランスは良いのだけれど、以前の『美しき生涯』と同様で、3番手の役どころが少し微妙な気がしました。前回ほどとってつけた感は無かったのですが、あの展開でナポレオンを登場させてしまうと、強いカードを切りすぎている感じが少し(+_+) あまり強いカードを切ってしまうと、『カルロやロベルタのしてきたことって一体(・ω・)』となってしまう。

見ている時には物語に集中できたので作品としては成功だったのだと思うのですが、ナポレオンが登場したことによって『革命の波に乗って、革命政府に独立させてもらった』だけのようにも思えてしまう。本当なら『ロベルタたちの活動が革命の理念と一致した』感じが前面に出ないといけなかったのではと思うが、考えすぎだな、これは(>_<。)

2幕はレビューロマン『宝塚幻想曲(タカラヅカファンタジア)』。演出は稲葉大地さん。花組では蘭寿とむさんの時の『Mr.Swing』が傑作だった。今回はこの演目で台湾に渡る。

見所たっぷりのショーだと何を書いて良いのか分からなくなりますが、個人的には第6場のドボルザークの交響曲第9番『新世界より』による中詰めと、第10場の『さくらさくら』による群舞がお気に入り。特に『新世界より』を歌い継ぐ場面の展開は観ていて、とてもワクワクするものでした。

それにしても、この『宝塚幻想曲』は長く再演できるショーになるのでは無いかなと漠然と感じました。台湾に持って行くことが前提として作られているからか、大がかりな転換のないシンプルなショーですが、見所はたっぷり。全国ツアーなど専用劇場以外に持って行ってもスケール・ダウンしないだろうと思います。

今の宝塚5組の中で個人的嗜好に一番合うのが花組なので、かなり贔屓目になっていると思いますが、花組の良いところは役割分担や序列がハッキリしているところにあるのではないかと思います。最近、番手をハッキリさせないことが多い中、今回のパレードは衣裳と羽根で3番手まではハッキリと表されていました。各組に色々な個性があり、好みによって好き嫌いは分かれるので、一概に比較はできないけれど、今、組内の序列が一番ハッキリしているのは花組だと思います。

噂によると、どこかの組は訳の分からないパレードを展開しているらしいけれど、学年が低くとも明確に役割を与えられれば、その役割を懸命に果たそうとするだろうし、学年が高くてもどういう役割を期待されているのか分からなければ困惑するに違いない。学年の上下とは別にヒエラルキーはしっかりと構築する必要はあるのだろうと思う。

そんなことを思った花組観劇でした。

さて、脚本書かなきゃ(>_<。)////

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