多様性の大切さ

関東での『Ernest!?』上演後、2年前と大きく違ったのは反響の多さでした。Tweetもそうでしたが、意外とDMをくださる方が多かったのが今回の反響の特徴だったと思います。色々な方々の受け止めを知ることができるのはありがたいことなので、今後もご遠慮なくお寄せ頂ければと思います。

さて、色々とメッセージなどを頂いた中に意外と多かったのが『〜〜に負けないでください』的なもので、よほど僕が何かと戦っているイメージが強いのかなと思うわけです。もちろん、励ましはホントにありがたいのですが、誤解があると良くないので、個別にお返事をお送りしてますが、少しお話しを。

演劇の感想について、僕の基本的なスタンスは『劇の感想は観た人が受けとめたものだから、反論せずにとにかく聞くべき』という感じです。作り手としては、劇を観てくださった方が、感じたことや疑問に思ったことを率直に聞かせてくださるのが一番、役に立つと思っています。だから、基本的に感想を聞かせて頂いているときに『いや、あれは!』と答えることはありません。『面白かった』と言ってくださる方に『いや、あれはダメだ』という必要も無いし、『つまらなかった』という方に『あれの面白いところはね』と言い訳する必要もないと思うからです。

では、色々な感想やご意見をどう受け止めているのか。

例えば、『○○がおかしい』という意見があったときに、全く考えていなかったことについては当然、『仰るとおり』と思います。一方で、時代考証などバッチリしている部分などについては『的外れだ!』などと怒るのではなく、『なんでそう思われてしまったのか』と考えます。すると、『あの科白が弱かったのか』とか『あの部分が伝わっていないのか』とか色々な可能性を思い浮かべます。そして、それが作品のブラッシュアップのきっかけになることが多くあります。

つまり、たくさんの意見を頂ける環境を作ることは大切だけれども、振り回されずに、ちゃんと自分で考えることが大切だと思います。絶賛されても反省することはあるし、批判されても曲げられないこともある。アンケートやネット上に寄せられる意見、または直接聞いた感想などに一喜一憂せず、『自分が伝えたかったこと、表現したかったこと』と『お客さまに伝わったこと』とのギャップがどうして生まれて、それを埋めていくには何が必要かを考えます。

色々ご意見があると思いますが、僕はどんな作品にも通用する万能な演技・演出なんてないと思います。作品ごとに求められることが違うからこそ面白いのであって、自分の得意な芝居の作り方で、全ての芝居をブラッシュアップできるとなどと思わない方が良い。『こうでなければならない!』とか『こうすべきだ!!』とか『こうあるべきだ!!!』という意見は要注意で、そういう風に振りかざしてくる方とはお近づきにならない方が良い。なので、そういった理由でお近づきにならないようにしている方が実際に幾人かいます(@_@; そもそも自分の色に染めたがる人は……(以下自粛)

僕が顧問になった頃の埼玉は『ある完成形』の背中を追っている顧問が多かった訳ですが、筑波大坂戸が別方向への扉を作り、芸術総合が駆け出し、新座柳瀬が後を追いかけている感じ。それぞれに全然違う方向を向いて、その方向でしっかり取り組んできたからできあがってきた、それぞれのスタイル。だから、お互いに言いたいことを言うし、言いたいことを言われるしですが、それは相手がちゃんと考えてくれることが前提にあるからです。この間、そうした関係性をご存じない方がちょっと文字面に驚かれたようで、DMで直接、激励を寄せて頂く方が増えたのかなと思います。なので、ご心配なく。

さて、僕は演劇の魅力は多様性にあると思います。色々なものがあるから面白い。どこからどこまでが演劇なのか定義することすら難しい。同じ作品を観ても人によって感じ方が違い、好きなもの、嫌いなものも違う。僕は芝居について、かなり偏った嗜好を持っているので、高校演劇がストライクに決まることはほとんどありません。でも、人を引きつけるには何か理由があるのだろうと思って、解説してくれそうな信頼できる方を見つけて、どう観ているのかを聞いてみることにしています。そうして腑に落ちることもあれば、落ちないこともありますし、そう観てるのかと意外な楽しみ方を発見することもあります。

少しまとまらなくなってきたので、この辺にしておきますが、つまり何が言いたかったのかというと、ウチのお芝居をご覧になった際はあまり難しいことを考えずに率直な感想をたくさんお寄せ頂けたら幸い、ということ。もちろん、誹謗中傷の類いは困りますが、感想が言いにくい、伝えにくいような環境にならないように切に願うばかりです。

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