(この記事はいずれ2017年5月9日 @ 23:00に移動します)
埼玉県高等学校演劇連盟の総会が埼玉会館でありました。今年は午後の研究会の素材上演を秩父農工さんに引き受けてもらった(全国大会出場校がある年はその学校が素材上演をする習わしになっています)手前、行かねば義理が立たないということで行くことにしたところ、司会を引き受けることになってしまいました。
それはさておき・・・
朝、受付の片隅で司会台本を作っているところに日本学校演劇教育会のSさんがお越しになった。Sさんにお目にかかったのは2年前程前、元芸術総合のY先生に紹介していただいたのが最初だったような気がします。その際にもにお誘いを受けたのですが、基本的に研究会的組織にアレルギーがあるので、案内は机の奥深くにしまいました。昨年、新潟へ行った際に再びお目にかかり、南関東の顧問研修会の際に少しお話をさせて頂いきました。きっと、お役目柄、沢山の方々にお声がけされているのだろうと思いますが、いつも熱心に勧誘してくださいます。
しかし、僕は提示された物事に関心が無いとき、もの凄く感じが悪いらしいので、この時もきっとそんな雰囲気全開だったろうと思うのですが、Sさんは果敢にも1冊の冊子を渡してくださいました。それが『エチュード』と呼ばれる日本学校演劇教育会の会報。間もなく総会が始まるということもあって、『ありがとうございます』と受け取って司会へと向かいました。
総会の議題が終わり、地区活動報告というパートに入ると司会の仕事はしばらくありません。舞台袖の椅子に座って、ボーッとしていたのですが、ふと会報を受け取ったことを思い出しました。丁度、舞台袖は明るく照らされていてものを読むのに不自由ではないので読んでみることに。
表紙を見てみると会の活動報告という内容が並んでいます。『う〜ん、読むの止めようかな』と思ったのですが、その中に『関東高等学校演劇研究大会新潟会場の審査に参加して』という項目がありました。これがあるから僕に渡したのかな、と理解。これは読んでみなければと読み始めました。
文章を書かれたのは顧問審査員として参加されていた東京都のF先生。F先生とは最初に出た関東では同じ出場校顧問でしたし、先日の関東には審査員として、更に実は僕の出身高校の顧問をしていたこともあったということで浅からぬ縁があります。
書いている方の顔が浮かぶと、さらに読む気にもなります。読み始めてみると、文章は作品を既成、創作、創作も色々なタイプに分類しながらまとめられています。特に北関東は顧問創作が多く、南関東は生徒創作が多いという指摘は東京都の顧問の先生らしい、面白い観点だなと思いました。また、それぞれの評も上演されたものに対する率直な評であって、『斯くあるべき』というものではないので素直に読むことができました。
ウチの作品については、ウェルメイドの作風や古典劇への新しいアプローチについて、具体的に指摘をして頂きながら、丁寧に紹介していただいているのですが、その中にとてもありがたく、感激した一文がありました。その部分だけ引用させて頂くと、
多くの人びとが様々な文化的社会的背景のもとで長年にわたって積み上げてきた「演劇」という形式への信頼と敬意の感じられる仕上がりで、すべてが演劇することの幸福感に溢れていて、見事であった。
・・・というもの。きっと、僕の目に触れるとは思っていないで書かれたに違いない文章だと思うのですが、そう感じてもらえたことが何より嬉しい。平素、何となく派手な芝居に見えるらしく、そういったところを軽視しているというような批判を良く受けるのですが、この『「演劇」という形式への信頼と敬意の感じられる』という言葉はこれから先、何年も打たれ弱い僕を支えてくれるのではないかと思います。
F先生の連絡先を存じ上げないので、お礼の伝えようもないのですが、本当にありがとうございます。今度、お目にかかる機会があれば、全力でお礼を申し上げます。それにしても、この1年、県の中央発表会の審査をされた筑駒のH先生にしても、F先生にしても、東京都の先生方の言葉に励まされ続けてるような気がする。これは東京都に何かお礼をしなければならないかと思うけれど、何も思いつかない。でも、その気持ちだけはありますので(>_<。)!
・・・それと、もう1つ。日本学校演劇教育会に借りができてしまった(←と勝手にそう思っているのだが)う〜ん、どうしたものか・・・(‥;)
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