コピスみよし 第13回高校演劇フェスティバル

今年もコピスみよし第13回高校演劇フェスティバルの季節がやって来ました。どちらかというと雨がちなことの多い6月の発表会ですが今年は快晴。梅雨の中休みにちょうど当たったようです。

前回から日曜開催に曜日を移し、上演校も6校というボリュームに拡大したフェスティバルですが、今年も824名のお客さまにご来場頂いて、盛会のうちに終えることができました。

個人的には今年のフェスティバルがちょうど10回目の参加、朝霞西で5回、新座柳瀬で5回とちょうど半分ずつとなりました。たびたび申し上げますが、とにかく1年間の上演の中でこの発表会ほど楽しいものはありません。こんな恵まれた環境で上演ができるのは幸せなことなのですが、なかなかの魔物が住んでいるのもコピス。毎回、上手に決まらないのも正直なところ。日々、勉強です。

このフェスティバルの嬉しいところはアンケートの回収率がかなり高いことで、毎回、楽しく読ませて頂いています。

・・・ということで、アンケートで反響の多かった話題を少し。

今年のアンケートで反響が一番多かったのは、やはり男役についてのこと。外部の公演で久しぶりにストレートなそれらしい脚本を書いたので、その反響が一番大きかったかなと思います。まぁ、高校演劇でそんな脚本を書く人もいないので、物珍しさもあるのでしょうが・・・

ちなみに今回の演目を気に入って頂いて、『My Fair Lady』を観てみようかなと思うと、全く展開が異なりますのでご注意を。

そんなこんなで男役への反響が大きいわけですが、今回の作品はイライザのために書いたというのが本当のところ。一般的に娘役よりも男役に注目が集まるわけですが、実際には娘役がきちんと機能しないと男役は引き立ちません。簡単に表現すると『男役が女性の場合、娘役はより女性に振らないと成立しない』ということで、ヒロインは嫌みの無い可憐さが必要になります。実はこれがとても難しいのです。

なので、今回の作品で男役に注目が集まったのは、ヒロインの勝利だったりするわけです。個人的に誇りたいことは、イライザがあれだけ喚いていても、キーンと高音に当たること無く科白を言えたこと。女の子らしい高音で響かせるのはとても難しいのです。

次いで多かったのが照明について。今回は部屋のシーンと外のシーンを切り分けるのに、台上の明かりだけだと分かりづらいかなと思い、外のシーンでホリゾントを使うことにしました。コピスのホリゾントはとても綺麗なので一度使ってみたいと思っていましたが、ホリゾントは一度使うとホリゾントでやり抜くか、途中に変な間を覚悟で閉めるかの選択を迫られます。

そこで今回はホリゾント前に黒い紗幕を一枚用意してもらいました。これによって、ホリゾントが点いたときにはホリゾントの色が見え、そうでない時は背景が黒という状態となりました。これは照明家さんのアドバイスによるものです。

もう一つは街灯ですが、あれは照明用のスタンドにそれらしく見えるものを取り付けて、中で60ワットの電球を点灯させたものです。明るいところで常時、見せられるようなクウォリティーでは無いのですが、黒紗幕の裏側なのでそれなりに見えたかと思います。

オープニングの映像について。2010年の宝塚歌劇団宙組公演『TRAFALGAR』で短めのオープニングの後、威風堂々に乗せてキャスト紹介の映像が流れた時に『カッコいいなぁ〜』と思うと同時に、物語へのワクワク感が高まったことを良く覚えています。なので、一度、それをやってみたいと思っていたのですが、これもコピスのプロジェクターと白紗幕があってこその企画だったかと思います。

以上の三点がアンケートでの反響が大きかったかなと思います。

コピスみよしでの演目を考える際には、お客様にとにかく楽しんでもらうことを第一にしています。そのためにコピスみよしでできることを『効果的』に組み合わせることが必要だと思いますし、それを支える表現力を磨かねばなりません。

また、来年のコピスで作品を上演させてもらえるように研鑽を積む1年間が始まります。

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