『ガイズ&ドールズ』宝塚歌劇団星組(3)★

(この記事はいずれ2015年9月28日 @ 22:30に移動します)

宝塚歌劇団星組公演『ガイズ&ドールズ』。宝塚大劇場千秋楽の回。今回の遠征最後の観劇です。座席は下手側の2列目1桁台。1桁台には1列目が無いので実質最前列。かなり下手側なので芝居を観るには角度がキツいけれど、前に座る人がいないというのは、とても幸せな気分になります。

さて、今回の公演について。

『ガイズ&ドールズ』はブロードウェイ・ミュージカルで、映画にもなっている作品。しかしながら、この作品は宝塚との相性が抜群に良い。逆にブロードウェイではどういう演出で上演しているのか、想像がつきません。個人的には映画版よりも宝塚版の方が良く仕上がっているように感じるぐらいです。少なくとも僕はマーロン・ブランドの歌より北翔海莉さんの歌の方が好きです(・ω・)

ミュージカルにしてもストレート・プレイにしても最近は幸せな終わり方の作品を好んでみています。どうも、演劇を暗い気持ちになって見終わるのは割に合わない気がしてしまって、少しでも前向きになれそうな作品を見るようにしています。

感覚としては観ていて鼻の奥がツンと鳴るような感覚が何回も訪れるような、そんな作品が僕の中で良い作品で、今回の『ガイズ&ドールズ』は正にそんな作品。特に主人公のスカイとヒロインのサラの場面はどこもそんな感じになる。最近、宝塚の作品でもそうそうこういう場面にはお目にかからないのに、この作品にはいくつもそういう場面があります。トップスターとトップ娘役のバランスがとても良いのだろうと思います。

宝塚大劇場の客席数は2550席。今日は千秋楽だから、初めて観に来てた人は少ないかも知れません。でも、それでも宝塚を、この作品を初めて観る人がたくさんいるはず。そういった人々に物語を伝えて、楽しませる事はとても難しいことだと思います。よく、ミュージカルを観る人で、

『1回観ただけじゃ、内容が良くわからない』

という人がいますが、それはやっぱりマズい状態なのだと思います。そうであっても贔屓の役者がいれば2度3度と観に来るかも知れませんが、そうでない人はつまらない思いをしたり、この程度かと思ったりしてしまうだろう。そうしたら、もう来てくれないかもしれない。だから、楽しんでもらうというのはとても大切なこと。

北翔さんの科白は非常にクリアで、歌詞も含めて一言たりとも聞き取れない言葉はありません。もちろん、そういったことが求められない演劇もあると思うけれど宝塚の様式には求められる要素だと思う。頑張って科白を聞こうとしなくても耳に届く、誰かに連れてこられたお客さんも飽きさせない。北翔さんはそういうことのできる役者さんなのだなぁと今回、改めて感じられました。

トップに就任して最初の大劇場公演、お披露目なのに圧倒的な実力を発揮した北翔さん。そんな北翔さんが千秋楽の挨拶で『初日にご来場くださいまして………』と間違えたのを聞、妙に安心したのは僕だけではなかったのではないかと思います(・ω・)

 

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