昨年の春季とコピスで連作で上演した『D Lover』。ライマン・フランク・ボーム原作の児童文学『オズの魔法使い』シリーズの第1作『オズの魔法使い』と第2作『オズの虹の国』をベースにしたアドベンチャー・コメディーです。
『オズの魔法使い』はそれまでヨーロッパが舞台だった児童文学の世界に一石を投じた作品です。この作品はアメリカ童話の始まりとも言われ、アメリカの情景を多く取り込んだ作品に仕上がっています。そのためか、アメリカでの人気が非常に高く、実はかなり長いシリーズ作品です。ドロシーとかかしとブリキの木こりとライオンの登場する作品は第1作で、日本ではこれだけがとても知られていますが、アメリカでは2作目以降に登場するキャラクターも良く知られています。
さて、この作品の前後半を連続して上演しようというのが今年のクリスマス公演『D Lover =the Complete=』。今、久しぶりにこの台本を読み返しています。
この作品は好みも評価も別れますが、個人的には気に入っている作品で、もし再演するのであれば後半を書き直したいなと思っていました。思ったよりも早い再演となったのは、おそらくオリジナル・キャストへの後輩の憧れのようなものかと思います。
さて、この作品の問題点は後半の展開。チップとジンジャーの関係、ジャックとジンジャーの関係を前回の上演の時には書き切れませんでした。
特にチップとジンジャーは伏線を張ったのに回収できずに終わってしまったのが残念だったので、今回は何とかしたいと。原作ではただ宝石や財宝が欲しかったお嬢さんなのですが、『D Lover』ではその背景をつけようと気負ったのに、中途半端に終わらせてしまったので、今回は何とかしたい。
ジャックとジンジャーの関係は公演後にnatsuさんもからも指摘されたところ。セカンド・カップルの結末についてもきちんと書き込みたいところ。
いずれにしても、最初書いていたときに想定していたより、ジンジャーという役が大きな役だったということなのだと思います。こういうところの読みがまだまだ甘いなと思います。
また、後編はコピス用に書いたので紗幕を使う使用になっているのも直さないといけない。考え出すと結構、しなければならないことが多そうな気がしてきます。
しかし、一度書いた作品を再演することが出来るのは嬉しいことなので、クリスマスに向けて準備を進めていきたいと思います。
ちなみに、次の卒業公演も春公演も秋公演も決まっていませんが、来年のクリスマス公演はディケンズかなと、うっすら決まっていたりします。