『オーシャンズ11』宝塚歌劇団花組

三連休の最終日、久しぶりに東京宝塚劇場へ。
今日の演目は花組による『オーシャンズ11』。昨年、星組で初演された作品の再演でした。

今回は専科の北翔海莉さんが出演されるということもあり、見逃すわけにはいかないと思って行ったわけですが、期待通り素晴らしい作品に仕上がっていました。

再演の場合、どうしても前作と比べてみてしまいがちになるのですが、今回は全く違う作品を観たような気がするほど、初演版とは違う印象を受けました。初演の星組を観た時には『愛する人を取り戻すもしくは救うために巨悪に立ち向かう男・オーシャンの物語』という印象だったのですが、今回は『オーシャンとラスティーを中心にしたチームが敵と対峙する物語』という感じ。キャストが変わると、これほどまでに印象が変わってしまうのかと、改めて配役の大切さを感じさせられました。

また、普段は月組と宙組を中心に見ているのですが、考えてみると蘭寿さんと北翔さん、春風さんは宙組にいたし、蘭乃さんは月組にいたし、大空さんが花で『銀ちゃんの恋』を上演した時の『ヤス』は華形さんだったし、組長の高翔さんは彩輝さんの同期だしと、意外と顔と名前が一致して、星組よりも観やすかったこともあるのかもしれませんが、星組は『オーシャンと10』という印象でしたが、今回は間違いなく『オーシャンズ11』という感じが強く感じられたような気がします。

もう一つ、意外だったのは前回観た時の花組と全く印象が違っていたこと。前回観たのは『復活』だったので、作品の暗さもあって印象が悪かったのかもしれませんが、最初の蘭寿さんと紫峰さんの会話から一気に引き込まれました。何という巧みな会話。組替えで組のバランスが整ったのか、ベテランから若手まで目を惹く役者さんが溢れていました。ちょっとのバランスや作品との巡り合わせで、随分と変わるんだなぁ・・・とつくづく思います。

さて、お目当ての北翔さんですが、やはり素晴らしかった。お芝居も、ダンスも、歌も、全てが素晴らしい。多少、贔屓目もあるのかもしれないけれど、科白は何のよどみもクセも力みもなく極々自然に発せられるし、ダンスは全く軸がブレずに切れよく、歌は伸びやか。それでいて、蘭寿さんがいるところは蘭寿さんにあわせて目立ちすぎない。久しぶりに理想的な二番手の姿を観たような気がします。

また、救急医療センターのシーンは今日はSMAPバージョンでしたが、今の宝塚であれができるのは北翔さん以外にいません。格好の良さを競う宝塚において、コミカルで滑稽な役をやり抜くことができ、会場中を沸かせることができるのは凄い。なにより、後半のこのシーンに差しかかる頃には会場がそれを楽しもうという雰囲気になっているのも素晴らしいことだと思います。

早く組所属に戻ってくれないかなと思ったり、北翔さんがトップスターになったら、どんな芝居やショーが観られるのかと考えるだけでワクワクしたりするのですが、次は月組に特別出演。とにかく頑張って欲しいと思うと共に、北翔さんが出るなら何組でも観に行きますぜ・・・という感じです。

次の花組公演は明日海さんが加わっての『戦国BASARA』。
今から楽しみです。

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