『マイ・フェア・レディ』真飛聖(1)★

(この記事はいずれ2016年7月23日 @ 23:00に移動します)

3年前に演出家G2さんの新演出で上演された『マイ・フェア・レディ』の再演が東京芸術劇場で上演されています。主演は真飛聖さんと霧矢大夢さんのダブル・キャスト。3年前は霧矢さんの方だけを観ました。今回も早々に霧矢版のチケットを押さえていたのですが、ふと真飛版も観ておきたいと思って急遽、チケットを取りました。

この日はマチネ回を2階の最前列で観劇。

結果からいうと、真飛版を観に行って観に行って正解でした。真飛さんのイライザはロンドンの下町っ子感溢れる魅力的なイライザでした。

イライザというキャラクターの魅力は口の悪い下町っ子が、その精神のままで貴婦人らしい振る舞いができるように成長していくところにあります。決して、貴婦人になるわけではないのがポイントで、作品中のどのシーンのイライザを切り抜いても、精神は下町っ子のままというのが魅力だと思います。

真飛さんのイライザは正しくこの魅力に溢れていました。自分の目標に向かって真っ直ぐに進む姿と、可愛らしい一面と貴婦人らしく成長を遂げる姿はバーナード・ショーが作品に込めた思いを体現しているかのようで、観ていて清々しいイライザでした。

この2013年から始まったG2版の『マイ・フェア・レディ』は、作品の古さを感じさせない翻訳の躍動感と魅力的なキャストに彩られています。今回、『日向のひなげし(The Rain in Spain)』の訳詞が少し変わっていた(「品のある広い額」から「光あふれ ヒバリひらり」に)のが残念でしたが、やっぱり翻訳って大切だなぁと感じさせられます。

世の中に沢山の演劇作品がありますが、やっぱり目指したいのはこういう作品だなと『マイ・フェア・レディ』を観る度に思います。作品としてはもう10回以上は観ている作品で、映画版も何度も観て、原作も読み、原作を潤色もして、上演もしている作品なので、結構知りつくしている感があるのですが、それでも観ていて飽きない魅力があります。

それもこれも、アラン・ジェイ・ラーナーがノーベル文学賞作家のバーナード・ショーの結末に抗って作り上げた、決して現代的ではないのだけれど、多くの人々が納得できる結末の力という気がします。

・・・ダメだ、もっと観たくなってきてしまった・・・(+_+)

東京芸術劇場のプレイハウスの入口。
東京芸術劇場のプレイハウスの入口。

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