(この記事はいずれ2016年6月16日 @ 23:00に移動します)
コピスも終わり一段落したところで、久しぶりにミュージカルを観に帝国劇場へ。演目は『天使にラブ★ソングを〜シスター・アクト〜』。ウーピー・ゴールドバーグ主演でに公開されたのが1992年。そのウーピー・ゴールドバーグがプロデューサーを務めて、この作品がロンドンでミュージカル化されたのが2009年。日本初演は2014年。今回はその再演です。
この作品では主人公のデロリスとその元恋人カーティスという役にダブル・キャストが組まれていて、観劇したこの日の18時の回はデロリスが蘭寿とむさん(同じ役を森公美子さん)、カーティスが大澄賢也さん(同じ役を石川禅さん)というキャストでした。そもそも、チケットは取っていなかったのですが、ainurからお誘いを受けまして蘭寿回ならばと云うことでお引き受けをしました。
さて、この作品。ミュージカルとしては舞台も音楽も演出も素晴らしく、コメディーとしての要素がギュッと詰まった作品。出演者も鳳蘭さんが修道院長、今井清隆さんがオハラ神父とベテランがしっかりと脇を固めているので作品に安定感がありますし、シスターたちの歌が上達していく過程も分かりやすく描かれています。こういう作品を観ると音楽の力を思い知らされます。
さて、今日のお目当てであった蘭寿とむさん。宝塚を退団してから初めて蘭寿さんの作品を観ましたが、相変わらず歌もダンスも素晴らしい。というか、宝塚の作品群よりもむしろこういう作品の方が蘭寿さんの魅力がより表現されるのではないかと感じました。ゴスペルやソウル、聖歌というジャンルもパワフルな蘭寿さんの声によく似合っているし、ダンスも宝塚では独特な感じがしていることもありましたが、こうしてみると作品とキャラクターに相応しく、作品を盛り上げていました。
到底、同じ役を森公美子さんがされているのは想像がつきません。たぶん、森さんの公演を観た人もそう思うのではないかと思います。きっと、単なるダブル・キャストではなく、それぞれの魅力が発揮されるように相当、調整されているのではないかと感じました。できれば反対側のキャストも観てみたかったなと思います。
とにかく、今日は特に楽しそうに歌い、踊る蘭寿さんの姿がとても印象に残りました。蘭寿さんの魅力はとにかく完全に力の抜けきった、しなやかな表現。あの余裕のある表現が観ている方もリラックスさせてくれて、緊張しないで観られる。もちろん、圧倒的な稽古量に支えられているのだろうけれど、それを感じさせないのがプロフェッショナルなんだなぁとつくづく。
これからも注目せねばと気持ちを新たにしました。