(この記事はいずれ2015年10月18日 @ 23:00に移動します)
今日は宝塚歌劇団星組『ガイズ&ドールズ』を観に東京宝塚劇場に行ってきました。宝塚で既に3回観ている演目ですから、内容的には十分理解済み。しかし、今回の作品はとにかく見所が多く、何度観ても目が足りない。しかも、今回は公演DVDが出ないという。DVDが各公演でるようになってから、大劇場公演のDVDがでないのは初めてのこと。レ故、やっぱりしっかりと見ておかなければと思うのです。
客席について最初にふと思ったのは、上下の花道が東京の方が短いんだということ。今まで漠然と大劇場の方が大きいということは分かっていましたが、袖にでているパネルがそれぞれ一枚分短い。写真を撮っておけば比べられたのにと少し反省。次の機会に比べてみようと思います。
さて、開演。
宝塚大劇場の最後の3日間を観ていましたが、東京公演まで間に色々と手直しが入ったのか、大きなアドリブが姿を消し、全体としてスッキリとした印象に整っていました。東京の千秋楽に向けて変化していくのかも知れませんが、一先ずシンプルな演出に整えられた様子でした。
この作品は2人のスカイとサラ、ネイサンとアデレードの2組の恋人たちの物語ですが、それを彩る個性的なキャラクターが登場します。特にナイスリー・ベニー。ラスティーのネイサンの子分である3人組は印象に残るところ。序曲の終わりから始まる『はったりフーガ』、公演名のついた『ガイズ&ドールズ』と大ナンバーがあるため、1幕では彼らの印象が強く残ります。
ナイスリーの美城さんの素晴らしさは以前に書いたので、3人組の残り2人について。
ベニー・サウスストリートを演じる七海ひろきさん。今は星組ですが、宙組時代に何作品も観ているので星組の中では良く知っている役者さん。配役の発表前は七海さんがナイスリーかなと思っていたりしましたが、3人組の真ん中でネイサンと行動を共にすることが多いベニーに。どうかなと思っていましたが、昔からキラキラ感のある七海さんは今回も爽やかに好演。強面のギャンブラーの中で、飄々として人の良さそうなベニーに仕上がっていました。
ラスティー・チャーリーの麻央侑希さん。前回の星組公演を観に行った時、ショーのロケットで華のある役者さんだなと思いました。その時にも3人組に入るかなと思ったのですが、前回公演では北翔さんが演じたラスティーに。出番は多いけれど科白が少ないので舞台での振る舞い方が難しいところですが、科白に対するリアクションなどにも細かく色々なお芝居を挟みながら、存在感を示していました。
・・・と、とても良い感じの3人組ですが、なんで衣装を変えてしまったかなぁと思わずにはいられない。プログラムのスチールは再演時のカラーを引き継いでいたのに、公演を観てみれば赤・白・緑。3人組としてはあまり良い配色じゃないような気がします。まぁ、先入観もあるので、初めて観る人には違和感ないのかも知れないけれど。
もう1人、印象に残るのが、シカゴのギャングであるビッグ・ジュール。演じる十輝いりすさんも存在感に益々、磨きがかかっています。悪役らしい悪役のいないこの物語の中で、ほのかに悪役の香りのあるビッグ・ジュールですが、実際にはかなり愛すべきキャラクター。十輝さんは不思議な雰囲気のある役者さんですが、不思議な雰囲気のビッグ・ジュールという役がとてもよく似合っていました。
それにしても、この作品はまだまだ良くなり続けています。やっぱり、中心にいる役者の姿勢というのが周囲の役者に伝わっていくのだろうなと思います。北翔海莉さんの主演公演はいつも千秋楽に向けて、どんどんと変化して進化を続けていきます。この作品もどこまで変化し続けて行くのか楽しみです。