『PUCK/CRYSTAL TAKARAZUKA』宝塚歌劇団月組

月組公演を観るのは昨年の年末に『The Merry Widow』を観て以来、約1年ぶりとなりました。以前は月組公演しか観ていない時期もあったので、そんなに空いてしまったかと意外な感じ。ただ、正直、最近あまり月組を観たいと思わなかったのです。

今回の演目は1992年に上演され名作との呼び声高く今回再演となったミュージカル『PUCK』と、ショー・ファンタジー『CRYSTAL TAKARAZUKA−イメージの結晶−』を11時公演で観てきました。

『PUCK』はウィリアム・シェイクスピアの『夏の夜の夢』を原作とした作品。日本を代表する演出家・小池修一郎さんの作品です。感想は率直に言って思っていたよりは随分と面白かった。期待値が低すぎたのかもしれませんが、物語にすっと入れて、パックとハーミアが再会する場面やラストの場面では涙もした。最近、涙もろいのかな(^^;;

観ていて思ったことは『この話の主役は誰だ?』ということ。例えば、成人したハーミアとパックが再会し、再びハーミアにパックが見えた場面。僕は『ハーミアに気づいてもらえた』ことに感動したのか『幼い頃の失われた記憶が蘇った』ことに感動したのか。僕は俄然、後者だった。

また、ラストシーンも記憶を失ったパックとハーミアが再会する場面、再会が『嬉しい』と感じるのは今までの記憶のあるハーミアであって、パックではない。『パック、再会できて良かったね!』と『ハーミア、再会できて良かったね!』とどちらが強いかといえば、やはり後者だった。

タイトルロールがパックなので、パックが主役のように思われるし、物語もパックが中心になるように書かれているのだけれど、パックとハーミアが向き合うと、どうもハーミアの方に物語の主体があるように思えてしまったのでした。

後半の『CRYSTAL TAKARAZUKA−イメージの結晶−』はストーリー性のある場面が多いショーで観てみて楽しいショーでした。演出は中村暁さん。

一番カッコいいと思った場面は、中詰め前の愛希れいかさんの掛け声でした。それもどうかと思うのですが、最近は月組のショーを観ていると、どうしても愛希さんに目が行ってしまうのです。何故かというと、圧倒的にダンスに切れがあるから。男役だった下級生時代からダンスが上手だったわけですが、最近はさらに磨きがかかっている様子。男役を率いても、娘役を率いても踊り負けずにショースターらしさがあります。フィナーレの娘役の群舞も格好良かった。

なんというか、これは人それぞれだと思いますが、僕は宝塚には『カッコいいもの』を観に行っているので、『カワイイ』よりも『カッコよく』あって欲しいと思うわけです。なので、必然的にカッコいい場面が印象に残ります。今日の芝居もショーも面白く観ることはできましたが、どうも最近の月組はカワイらしさに偏りすぎかなと、それが足が遠退いた理由なのかなと感じました。

つまり何を言いたいかというと、月組のトップスターは愛希れいかさんだと言うことがよく判った公演でした。

公演後。14時過ぎから遅めのお昼ご飯へ。最近は少し色々と出歩こうと心がけているので、今日は有楽町から東銀座方面に歩き、歌舞伎座の前を通って『銀之塔』へ。テレビでよく見るお店で一度行ってみたいと思っていたのですが、東銀座に行く用事もないので、この機会に行ってみようと。頼んだのはシチューのミックス(タンとビーフと野菜)。具材がしっかりと煮込まれていて、お肉も箸で簡単にほぐせるほど柔らかかった。

銀之塔のシチュー(ミックス)
銀之塔のシチュー(ミックス)

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