『東海道四谷怪談』千葉勇佑

今日はコピスみよしの高校演劇フェスティバルのチラシを担当してもらっている千葉勇佑くんの一人語り『東海道四谷怪談』を聞きに、埼玉県志木市のギャラリースペースMへと行ってきました。スペースMは絵を展示するギャラリーですが、今日はその駐車場で行われる屋外公演でした。

千葉くんと初めて会ったのは、かれこれ8年前ぐらいになります。芸術総合高校で行われた『年末ジャンボ演劇祭』の顧問芝居の打ち合わせで、『今度は愛妻家』の読み合わせをした時に会ったのが最初でした。その時、彼はたぶんチラシの相談に来ていたのだと思うのですが、どういう経緯だったかは忘れましたが、読み合わせに参加しました。彼は「原文太」の科白を読んだのですが、これが素晴らしかったことを良く覚えています。

さて、今回の演目は『四谷怪談』を原典に四世鶴屋南北が『仮名手本忠臣蔵』の外伝的に書き起こした『東海道四谷怪談』を原作にひとり語りの脚本に起こしたもの。千葉くんが脚本も書いていると言うことでしたが、非常に良くまとまった脚本で、古典ですので言葉の難しい部分もありますが、初めてでも十分に内容が理解できるものでした。

比較的、親しい間柄なのでブログであまり褒めるのも如何なものかと思うのですが、個人的にはとても楽しむことができました。

『語り』と題されていましたが、一人芝居と行っても良いような作品でした。キャラクターの演じ分けも、上下の振り分けも、とても考えられているし、何より表情と語り口が魅力的でした。南北の科白にも負けずに楽しげに語る姿は力強くもありました。作品としてはベテラン俳優がするような内容ではありますが、不思議なもので千葉くんの魅力が詰まった作品でした。

先日、青山ねりもの協会の『大鏡』にも出演してくれていたのですが、千葉くんの芝居は不思議な魅力があります。上手には言えないのですが、絵にしても芝居にしても、千葉君の作品は果てしない感受性に支えられた表現のように感じるのです。芝居で言えば受ける力が強いので、相手の芝居を受け止めて、しなやかに表現が変わっていく感じかなと。

今回の作品で言えば、『東海道四谷怪談』に触発された千葉くんの、この作品の面白さを何とかして伝えたいという思いが詰まっているように感じました。

今回の演目は今後も継続して練っていくようですので、5年後、10年後、千葉くんが年齢を重ねていった後、どのような作品に仕上がっていくのか、とても楽しみな作品でした。

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