『ラスト・タイクーン/TAKARAZUKA ∞ 夢眩』宝塚花組(2)

今日はainurさんに再びお誘い頂いて東京宝塚劇場にお出かけ。『ラスト・タイクーン/TAKARAZUKA ∞ 夢眩』を観てきました。

明日で千秋楽を迎える今日の15時半公演はいわゆる『前楽』の公演。今回のこの演目は花組トップスター・蘭寿とむさんの退団公演なので、この回と大楽には『さよならショー』が付きます。宝塚のファンの間ではプレミアが付くような公演なのです。

さて、『ラスト・タイクーン―ハリウッドの帝王、不滅の愛―』。2度目なので少し冷静に観られましたが、やっぱり腑に落ちないところが多い。一番気になるのは映画スタッフたちの気持ちの変化が都合良く変わりすぎること。次にブレーディの娘・セシリアの日和見的行動。作品全体に『労働問題』を入れすぎたために、物語の本筋ではない人たちの都合の良い動きの違和感が浮かび上がっているのかなと。

あとは物語の終わらせ方の難しさ。トップ・コンビをハッピーエンドを暗示するためには、思い切って第14場でボロボロになったモンローとキャサリンが再会した場面で終わらせることもできたかなと。実際、初見時はここの暗転で終わりかと思いましたし、労働問題に踏み込みすぎなければ、ここで打ち切ってもそんなに違和感はないと思われます。もし、映画作りに軸足を置くなら、第15場のモンローが再び映画作りを始めるためにニューヨークへ旅立つところで終わることもできたかなと。これにはブロンソン問題を事前に片付けることが必要になりますが、みんなに見送られて旅立つエンドは退団公演には向いているかなと・・・と、ともかく死んだ人間がベラベラと喋るラストを避ける方法があったのではないかと思うわけです。

でも、今日はそんなことを飛び越えて、ラストの『人生を賭けた夢』のリプライズが素晴らしかった。

ショーの『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』は大楽直前ということもあり、どの場面も完成度が高く、引きつけられるシーンの連続でした。今日は『4th Stage MUGEN CITY』の話を。感覚的な問題なのでずれているかも知れませんが、今回のショーの中でダンスも歌も最も蘭寿さんらしい場面はこの場面ではなかろうかと思います。高翔組長を中心になって踊り、2番手の明日海さんが敵役で蘭寿さんと対峙する場面。いわゆる『黒燕尾』のような宝塚フォーマットの正統派なシーンではないけれど、この場面は蘭寿さん以外ではちょっと成立しないだろうなと感じさせられる、その魅力がギュッと詰まったシーンのように感じました。

そして、『さよならショー』。『ファントム』から始まりましたが、観ていて分からない曲が無かったことを考えると、最近は意外と花組を観ていたんだなぁと気づきます。どの場面を観ていても、本公演の時よりも魅力的に感じるのは、その後の経験値がものを言っているのだろうなと感じます。個人的には明日海さんの銀橋渡りの『戦国BASARA』を聴きながら、退団とか組替えとかがあり今後、花組はどうなるんだろうなぁと少し思ってみたり。でも、しばらくは明日海さんと望海さんの同期コンビが魅力を放っていくんだろうなと勝手に安心したりしていました。

さて、数度のカーテンコールが終わり、外に出ると出待ちのファンが溢れかえっていました。あぁ、明日が千秋楽なんだなぁと感じながら、帰路につきました。

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