只今『Love & Chance!』の脚本を書いている真っ最中。
舞台は18世紀のフランスなので、原作だけでなく色々な文献に当たりながら、書き進めているところです。僕の脚本はドタバタ要素が強いため、時代背景の研究とかしていないように思われがちですが、書く以上は結構真剣に文献を読み込んだりするので、脚本で取り上げた題材と時代背景はかなり詳しくなります。
思い出した(・ω・)
以前、19世紀のイギリスを舞台にした作品を書いた時、聖職者として『牧師』を登場させたのですが、審査に来た偉大なる審査員様は19世紀のイギリスではプロテスタントが主流であったことを指摘され、『カトリックが牧師、プロテスタントが神父』という説をお唱えになり、『社会科の教員として』と前置きした上で『時代背景の検証が足りない』と一方的に批判されたことがありました。
きっと、彼は宗教改革以前のイタリアはヴェローナを舞台にした『ロミオとジュリエット』のロレンス神父がプロテスタントであることを疑わず、『社会科の教員として』アメリカの公民権運動の指導者であるキング牧師がカトリックだと信じているのだろうと思う。これは恐ろしいことです。
・・・閑話休題。自分の作品で不勉強を晒すことほど恐ろしいことはないので、集められるだけの資料を集めて読み込みます。なので、一度、脚本を書き始めると睡眠時間がグッと減ります。
はい、今は毎日、常に眠いですが何か(^^;
たぶん、高校の演劇部用の脚本を書くのに、18世紀~19世紀のフランスについて文献を読み込む日本で唯一の人間ではないかと思う今日この頃ですが、もし同じ境遇にある方、この本が役に立ちます。
貴族の生活や革命にスポットを当てるのではなく、当時のフランスの一般市民の暮らしの様子などが詳しく検証されています。『あの小説に出てくる○○フランって、今で言うとどのくらいの価値なの?』とか『ジャン・バルジャンが盗んだパンの価値は?』というような疑問に答えてくれる本です。
遠回りは遠回りなのですが、分からないで書いているのも気持ちが悪いので、眠い目をこすりながら日々、努めているところです。
早く書かなきゃ・・・(^^;
私は読んでいませんが書評で話題になったのを覚えているような気がします。白水社からは類書も出ていますよね。どれくらい使えるか分かりませんが、裏付けをきちんとしていくのは大変ですが楽しくもあるのでしょう。ところで件の社会科の先生は記憶違いか勘違いをしたのでしょうが、預言者と予言者の違いを聞いてみると、旧約・新約聖書にもとづいた宗教が神を言葉の中に見いだしていたことが分かるような気がします。プロテスタントもいろいろみたいですが聖書中心主義が特徴のひとつですね。だから牧師になるのでしょう。
コメントありがとうごさいます。
こういう事でもない限り、読まない本もあるので楽しいですが、もうすこし余裕を持って取り組まなければとも思います。
異文化のものを取り扱う時は(ほとんど異文化の世界しか扱っていない気もしますが・・・)調べれば調べるほど面白い話が出てくるのですが、細かく調べたことを全部盛り込めば良いというわけでもないので、またバランスで悩んだりします。
それにしても、良い本は高いですね(-_-;)