11月のある市民まつりでの上演に向けて脚本を書きました。
昨年、『Lumière』の上演を市の文化協会副会長さんが観にいらして、「来年は是非」とお誘いを受けたので今年、初めて参加することに。
本当は『Snow White? Bloody Red!』の再演を予定していたのですが、諸般の事情により季節外れの新作に。今年に入って『D Lover』の前編・後編を分けて考えると3本目の新作になります。
作品のタイプとしては見終わった後に何も残らないであろうタイプ(僕が身を置く演劇の世界では一番怒られるタイプ)の作品です。でも、「是非、楽しい作品を」というリクエストなので、精一杯、後腐れの無い楽しいコメディーに仕上げました。
題して、『Alice! ~パート2 白ウサギのお見合い編~』!
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をモチーフに脚本を起こすのは2度目。この物語、登場人物は魅力的だけれど、ストーリーは言葉遊びが過ぎ、物語としてはちょっと・・・ 前回もどういう話にしたらよいのだろうかと悩みに悩んだのを覚えています。今回もどうしようかと考え、早々に原作に添うのはあきらめ、キャラクターをモチーフにした別の話を考え始めました。
考え初めて数日、最初にパッと浮かんだのが『白ウサギと誰かのお見合い』の絵。何となく偉い人が道楽として仲人をしている感じの様子が思い浮かびました。そこからスタートして試行錯誤。
『「ぴょん」が口癖の三月ウサギと「にゃ」が口癖のチェシャ猫』
『料理長の料理をひっくり返して追われる帽子屋』
『顔を合わせればケンカばかりの白ウサギとアリス』
『ウエディング・マーチを悦に入って聴く女王様』
『帽子屋の顔を見るたび引っ掻くチェシャ猫』
・・・などなど断片的に思い浮かぶ絵。それらを付箋紙に書いていき、並べて眺め、並び替えては眺め、付箋を書き足し、並べて並び替えストーリーラインを考えていきます。それと同時作業でセットを思い浮かべます。今回は予算が無いので『D Lover』のセットの改良型。そのセットで可能な段取りをストーリーに併せて考えていきます。
そして、いよいよ科白を起こしていきます。1日に1ページしか書けない日もあれば、一気に10ページぐらい進む日もあり、進んだと思ったら戻って書き直したりと一進一退を繰り返しながら書き進めます。今回の脚本は約32000文字で完成。
ここから実際に稽古が始まると科白を足したり、切ったり、直したり、入れ替えたり、出入りの位置が変更になったりして、上演台本が出来上がっていきます。当然、上演を迎える頃には台本は書き込みで一杯になっています。
果たして、この作品は市民まつりのお客様に喜んでいただけるのか。
これから役者・照明・音響を併せて、どのような表現をしていくかの試行錯誤の日々が始まります。
別に、ぜひ見たいとかいうことでは全然なく、ただちょっと気になるなあということで、市民祭りというのは、どこでどんなスケジュールでやるんだろう??
コメントありがとうごさいます。
今回の公演は11月9日(土)に新座市民会館で行われます。
開場は11時30分、上演は12時から45分ぐらいです。
他に市民劇団・対話劇などが上演されます。