初演が終わっての連休。さっそく脚本の見直しを始めました。
最初に思ったのは、たぶん『エピローグがいらないだろ』と言われるだろうなということ。この場面が2分ほど。『観客の想像に任せろ』的なことを言われるのは想像に難くない。でも、このシーンは譲れないのでフルに残すことにしました。『To Explosion』(グスコーブドリの伝記)の時に思い切って、そのまま終わらせたのですが、その時に甚く反省したので、やっぱり前向きに終わる線は譲らないことにしました。
続いて、まずは実際にどのくらいのカットが必要なのかを調べることにしました。初演の様子を録画した映像をパソコンに取り込み、映像編集ソフトに取りこんで、オープニングの緞帳が無いことによる暗転板付きの間と場面転換の不手際をカットしてみると、やはり2分ぐらいの無駄な時間が隠れていました。
今回の芝居はプロローグとエピローグを入れて16のシーンがありますので15の場面転換があります。場面転換1回につき4秒遅れればあっという間に1分になります。もちろん、上手くいっているところと、大規模に失敗しているところがあるので平均するとと4秒ということですが、これは間違いなく削れる時間なので、あと7分です。
次いで後半のテンポが落ちていく部分について。今回の芝居は約800の科白で構成されていますが、そのうちの約300がテンポの良い場面。300の科白で平均0.2秒ずつぐらいテンポが上がれば1分ぐらいは時間が詰まります。映像で確認した感じでは間の悪いところもあるので、1分は見積もって大丈夫だろうと思われます。
・・・ということで、6分ぐらいを目指してカットを始めることに。順番に候補を挙げていきながら、内容とつながりを確認しながら、あたりをつけて、少しずつカットをしていきます。上演を観たときに『この場面は長いな』とか『ここの場面はくどいな』と思ったところもあったので、色々と再検討を重ねます。
そして、意外なことに連休中に二稿が完成。カット作業と気になっていた部分の修正作業の結果、科白文字数ベースで約14,100文字だったものが約12,200文字になり、約14%ほどのカットでおそらく60分に収まるかなと思います。
書き手としてはどの場面も残したい思い入れがあるのですが、たいていの場合、カットしてスッキリさせた方が結果として良く伝わるようになるということも、今までに経験してきているので、思い切ってカットを進めてみました。カットの結果、初稿よりも王子さまと飛行士とバラの関係性への集中が高まった気がします。
しかしながら・・・書いていてなんですが・・・叙情的な物語よりも弾むようなコメディーの方がやっぱり性に合ってます。もう、しばらくこういうのは書かないと心に誓う今日この頃です(@_@)
読んでいて、むかし所演で、山崎哲や清水邦夫の長い本をカットしていた頃のことを思い出しました。すでにギリギリまで縮めているのに、本番が近づくと必ず芝居が延びるんですね。コンチクショーと思いながら、最後の綱渡りの計算というか、でもいま思うとすごく面白かったな、と。
がんばってください。楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
山崎哲や清水邦夫のような良い科白ではないので、カットする苦労は比にならないとは思いますが、なんとかせねばと頑張っています。
珍しく公演まで少し時間があるので、久しぶりにじっくりと芝居作りをしています。まぁ、今年は久しぶりに最上級生がいないので、育てる年だと割り切って日々、基礎作り中です。まだ、時間があるので、楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。