(この記事はいずれ2017年5月22日 @ 23:00に移動します)
テスト前日の月曜日。午前中、授業無し、午後は出張、部活も無し・・・ということで、思い切って14時までお休みを頂くことにしました。このところ、忙しかったのでボーッとしていても良かったのですが、休みとなると時間が勿体なく感じられ、この日はnatsuさんに薦められた映画を見に行くことにしました。
朝7時半の電車に乗り、通勤ラッシュに揉まれながら、西武新宿駅へ。そこから歌舞伎町の中にある『TOHOシネマズ』へ。実は映画を見るのは10年ぶりぐらい。お芝居は観ますが、映画はほとんど観ないんです・・・
映画館に入るとチケットの発券機がズラリと並んでいる。恐る恐る予約番号などを入力するとレシートのようなチケットが・・・若干、風情がない。チケット片手に中へと入ると朝8時過ぎというのに結構、人がいました。やっぱり、映画が好きな人というのは多いのだと再認識。それにしても1カ所の映画館で沢山の映画が上映されているんですね(@_@)
ポップコーンなどを買おうかとも思ったのですが、お昼ご飯を美味しく頂くために我慢。しばらく待っていると、入場開始のアナウンスが入ったのでチケットを見せて『SCREEN 8』へ。座席はD5。ネット情報によると、予約画面では6番の方がセンターに見えるけれど、実は5番の方がど真ん中ということでしたが、仰るとおりバッチリ真ん中でした。D列というのも丁度スクリーンの中心よりやや低いぐらいで観やすい。
さて、本日の映画はウディ・アレン監督の『カフェ・ソサエティ』。物語は1930年代のアメリカ、前半はハリウッドが舞台で映画のエージェントとして成功した叔父さんを訪ねて、甥っ子が訪ねてくるところから始まり、その甥っ子が恋に落ちた相手が、叔父さんの愛人だった・・・、後半は恋に破れた甥っ子がニューヨークに戻り、カフェ経営で成功したところに再びその彼女が現れて・・・とまぁ、それほどめずらしいプロットではありません。しかし、主人公の成長に合わせてという感じも含めてか、前半のハリウッド・パートはラブ・コメディー色が強く、後半のニューヨーク・パートはラブ・ロマンスといった感じで明らかに雰囲気が異なる作りをサラリと見せられた感じでした。
コメディー・パートは観客が全てを把握し、登場人物たちがどのように気づいていくかを楽しむ王道的なパターン。しかし、王道パターンであるほど決めるのが難しいと思うのだけれど、それをサラリとみせてしまう鮮やかさ。まず、叔父と女の場面で観客に知らしめ、次に叔父と主人公の場面で、主人公が気づいてしまうのかと思いきや叔父が気づき、知らぬは主人公ばかりなりというシチュエーションを作り上げる。そこから叔父と主人公が続けざまに女のいるクロークに押しかけ事の真相を問いただす場面へと進むのだけれど、この場面のテンポ感は実に爽快で、その後の主人公の切なさを引き立たせる振り幅として、とても効果的なように感じられました。
映画のことは良くわからないけれどシナリオということで言えば、なにか劇的な出来事を描くわけでもないこういった作品で観客を引きつけることができるというのは脚本の力なのだろうと思うし、コメディーではあるけれど、騒ぎすぎることもない品の良さが漂うところに監督の腕なのだろうと思います。まぁ、この作品の場合、両方とも同じ人なので、このバランスはその両輪が噛み合ってのものなのだろうと思います。
何というか、押しつけがましい表現もないのだけれど、観客をスーッと物語に引き込んで、またスーッと物語から送りだしていく、そんな雰囲気のある映画、そんな感じ。ラストシーンから画面がブラックアウトしていくときには思わず拍手しそうになったけれど、「映画だ」と思い直しました(‥;)
結構な満足感で見終わっても、まだ10時40分。舞台では信じられない早い時間。朝早くから観られると、その後の時間を有効に使えるというも映画の魅力なのかもしれないと感じました。