(この記事はいずれ2015年12月23日 @ 23:00に移動します)
22日(火)と23日(水)の2日間、クリスマス公演を行いました。今年の演目は倉持裕さんの『鎌塚氏、放り投げる』。2011年5月に初演された演目です。久しぶりの既成作品の上演でしたし、休憩無しの2時間超の作品でしたので、演じる方もお客さまも大変だったかと思いますが、特に祝日だった2日目は会場満員のお客さまにご来場頂きまして、恵まれた環境の中での上演となりました。
個人的には前の学校の卒業生たちや今の学校の卒業生たちも来てくれていたし、ご案内していなかったのにnatsuさんやyassallさんまでお見えになって、そういった意味でも充実の客席といった感じでした。
『鎌塚氏』シリーズは『放り投げる』『すくい上げる』『振り下ろす』と現在までに3作品が上演されている人気のシリーズです。今年の夏休みのお昼ご飯の時に観た演劇のDVD数十本の中からクリスマス公演に選んだのがこの作品。とにかく科白量が多いので大変だろうなと思いましたが、演じてみたい作品をさせるのが良いだろうと、上演許可を頂いて公演の運びとなりました。
上演の様子については、観て頂いた感想はnatsuさんやyassallさんの劇評をご覧頂くとして、上演した側の感想を少し。
稽古期間が少し長くなって、科白量が増えてくると、演劇に対する姿勢みたいなものが透けて見えてきます。どうしても稽古期間が長くなると、甘えが出てしまって科白を憶えるのが遅くなったりします。すると、会話や段取りを組み立てる時間が短くなり、概ね、ろくな事になりません。
科白を憶える段階、科白を言えるようになる段階、役について考える段階などは自分のための時間であって、お客さんのための時間ではありません。でも、稽古期間にゆとりがアあると、どうしても自分に甘えてしまって、稽古期間の全てを自分のための時間に使おうと緩いペースで計算してしまいがちになります。あれができない、これができないと思っているうちはダメ。その状態から、いかに決別するのか。そうなるか、ならないかは、演劇に限らず芸事に携わるものにとっては、大きな分かれ道なのだろうと思います。
作品を上演するからには、物語をいかにお客さんに伝えるかを考えなければなりません。科白の言い方だって、間の取り方だって、立ち位置だって、お客さんのために工夫できることはいくらでもあるのです。
今回はウチの部活にしては稽古時間が長くありました。脚本も既成ですから稽古初日にはありました。では、そのメリットを活かしきれたかというと、残念ながらそうではなかったのではないかと思います。もちろん、この作品を通して成長はしたと思いますが、やはり今ひとつ自分に対する甘さが出てしまったように感じました。
しかし、今回はそれに気づくことが出来たのであれば、それが収穫ですし、次の作品に望む時に色々なことを早め早めに取り組めるようになれば良いと思います。結局、どんなに練習期間があっても完成はしないのだから、限られた期間をどのように充実させるかしかないのです。
クリスマス公演が終わると、卒業公演・春季演劇祭・コピスみよしと半年間で3演目の忙しい日程が始まります。果たして、どんな成長を見せてくれるか、させていけるか、色々と考えなければなりません。
まぁ、もちろん高校生に何を求めているのかというご意見もありましょうが・・・