『三谷幸喜 創作を語る』三谷幸喜・松野大介

『ザ・仕事のできない人間』というべきか、早く脚本を書かなきゃいけない時に限って本を読みたくなる。暇な時は積んでおくのに忙しくなると現実逃避に読書を始めます。状況としてはいつもと同じだけど、今回は積んであった本では無く、届いたばかり本を読みました。それが『三谷幸喜 創作を語る』です。

三谷幸喜さんと言えば、何で有名かわからないぐらい活躍されていますが、ここでは舞台の脚本家で演出家と紹介しておきます。コメディー・ライターで日本一を決めることになれば真っ先に名前の挙がる脚本家です。

その三谷さんが『創作を語る』というのだから読まないわけにはいかない。Amazonで注文し、届き、忙しい日々だったので真っ先に読み始めたわけです。

読んでみると、『創作を語る』というので着眼や発想法などが整理されたものなのかと思いきや、『創作物を語る』という方が正しい感じでした。もちろん、その過程でどう思いついたのかなどを具体的に語られているので、三谷作品を観ていれば『そういう風にしてあの話ができたのか』と参考になること間違いなしの本です。

2つばかり、特に面白いと思ったことを。

1つ目はテレビドラマのCMのタイミングの話。三谷さんはCMのタイミングを脚本に書くそうです。それを読んでみて脚本集を開いてみると確かに『CM』って書いてある。他の作家さんの脚本集を見てみると書いてない。なるど、三谷さんならではだと。三谷さんはこれについて、

CMが入る前は引きつけるシーンで終わらせて有効に使いたい。

と語られている。僕は『これはきっと暗転の感覚なんだろうな』と思いました。ドラマはシーンを淀みなく繋ぎ合わせることが可能ですが、民放ドラマの場合は90秒から120秒ぐらいのCMが3~4回入るわけです。最近の映画ならば途中で休憩が入ることもないし、映像に間ができることはないのでしょうが、CMは映像にできる次のシーンまでの転換時間のようなもの。舞台の脚本家である三谷さんにとっては、当然、有効に使うべき時間のように思えたのではないかと感じました。

2つ目は最初に撮られた映画の話で、プロデューサーが脚本が読んだ時に長くて尺に収まらないと言われたが、タイムキーパーの方が、

これは全部で1時間40分です。

と言い、実際撮影をしたらその通りに収まったという話。

自分の中に無い種類のものを如何に理解するかという例として興味深かったのですが、このタイムキーパーの方は当時観ることができた三谷作品の映像と脚本の全てに目を通し、三谷作品のテンポやリズムを理解した上で、この脚本ならば1時間40分であると弾き出したそうです。

たぶん、プロデューサーは今までの経験値の範疇で『尺に収まらない』と言ったのでしょうが、それは他の人の作品を理解する努力が足りなかったということだったわけです。でも、得てしてそういうものかもしれないとも感じましたが、やはり、色々な種類のものを観て、聞いて、理解して、吸収して、引き出しを増やしていくことが大切だなと改めて感じました。日々是勉強・・・

その他にもたくさん興味深い話がありました。三谷作品を観ていないとピンとこない部分があるかなと思いますが、『まずこれに注目して、次がこれで、それをまとめてこうなって』と丁寧に語られているので、何かしらのヒントになると思います。

脚本、書かなきゃ・・・(>_<。)

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