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精華高校演劇部・新座柳瀬高校演劇部 合同東京公演
『愛もない青春もない旅に出る』 上演作品
『 Merry-Go-Round! 』
作／稲葉智己
2018年3月13日・14日に精華高校演劇部・新座柳瀬高校演劇部 合同東京公演『愛もない青春もない旅に出る』（シアター風姿花伝）で上演した『 Merry-Go-Round! 』の上演映像です。
前年の『高校演劇サミット2016』で精華高校の『大阪、ミナミの高校生』（作／オノマリコ）と出会いまして、すっかり惚れ込みまして、Twitterでの交友後、宮城の全国大会の際に顧問の鳥頭先生と初めてお会いしました。そこで今度はウチの『 Love & Chance! 』を観て頂き、楽しんで頂けたことで「何か一緒にやりましょう」ということになったのが、合同公演のきっかけでした。
･･･と言っても、東京で合同公演って今振りかえると、無茶なことをしましたね。ホント(^_^;･･･
精華高校は早々に『大阪、ミナミの高校生２』（作／オノマリコ）を上演することが決まっていました。確か長野と徳島で上演していて、その時にSNSで評判も聞いていたので、ウチはどうしようかなぁ、といろいろ考えました。その年は秋に『 Lonely My Sweet Rose 』と『La Esperanza』、年末に『高校演劇サミット2017』で『 Love & Chance! 』、年明けにハイスクール短編演劇祭で『Eliza! =愛の鞭編= 』と立て続けに上演をしていたのですが、確か年明け早々、オノマさんが新座柳瀬に来てくださって色々と打合せをさせて頂きました。たぶん、オノマさんとちゃんとお話ししたのはこの時が最初でした。
その時に『大阪、ミナミの高校生２』の話を伺って、ウチは明るい演目が良いと思って、７回生の初代イライザの卒業公演の演目として有名な作品のパターンを借りて書いた『The Inheritors』という作品をブラッシュアップして『 Merry-Go-Round! 』に改題して上演することにしました。ちなみに『 Merry-Go-Round! 』は「回転木馬」とともに「てんてこまい」という意味があります。登場人物たちが右往左往しながら結末に進んでいく様子を表すのに相応しいかな、と。この作品は解説を書かない方が良いので、このくらいにしておきます。
そて、この公演。この10年間の中で１、２を争うぐらい楽しい公演でした。シアター風姿花伝はとても良い劇場だったし、照明・舞台監督は黒猿の黒太さんだったので照明は綺麗だし、精華高校の作品はスゴイし。印象的だったのはオノマさんが意外とノリノリでウチの作品にアドバイスをくれて、衣装選びにアドバイスをくれたり、男役が客席を通るんだからと香水をつけてくれたり、主人公のラストシーンにティアラを貸してくれたり（これは映像にも映っています）と楽しんでくださっていたこと。埼玉県の人間にとっては『オノマさん⇒芸術総合⇒Ｑ体』の洗練されたイメージが強いわけですが、それはガラガラと崩れて、楽しい方だなぁと思ったのでした。
精華高校も間近で活動の様子を見られたことはとても幸せな体験でした。この１０日後には甲府南高校とも合同公演をさせて頂いたのですが、演劇部のことを知るには自主公演を一緒にするのが１番の近道。顧問の先生と部員の皆さんの関係性を感じることができるのが１番、勉強になる瞬間です。この時も鳥頭先生と生徒の皆さんの素敵な関係性を肌で感じることができました。夜中、なんか色々とお話ししたのも良い思い出です。何年か経って、学校が変わっても、またいずれ『精華さんを関東に引っ張り出したい！』と思っています。
この『 Merry-Go-Round! 』の鮮明かつ印象的な思い出として残っているが工藤千夏さんからのアドバイスでした。工藤さんとお話しするのもこの時は数回目ぐらいの時期でしたが、上演後に「階段を影段にしないで舞台上を役者がクルクルと回るように見せたら、もっと楽しくなりますね」と。
衝撃･･･ 全然、その発想はなかった･･･
その作品が、その作品の方向性で、より良くなるであろう感想をサッと仰って会場を後にされた工藤さん。工藤さんへの信頼感は間違いなくこの時に生まれたものでした。いつか、ホントの『 Merry-Go-Round! 』になった上演を工藤さんに観て頂くのも目標の一つです(*^-^*)（稲葉智己）