Ernest! Sequel (Niiza-Yanase 2015)

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コピスみよし2015 第14回高校演劇フェスティバル 上演作品
『 Ernest! =Sequel “Can’t Stop Fallin’ in Love!”= 』
オスカー・ワイルド『真面目が肝心』による
翻案/稲葉智己

2015年6月14日にコピスみよし2015 第14回高校演劇フェスティバルにて上演した『 Ernest! =Sequel “Can’t Stop Fallin’ in Love! 』の上演映像です。

春季演劇祭(地区)とコピスみよしの連作第3弾。オスカー・ワイルドの『真面目が肝心』を翻案した作品です。後に全国大会で上演することになった『Ernest!?』のベースとなった作品です。

実は新座柳瀬に来た最初の年の秋季発表会で脚本を僕が担当し、演出を前顧問が担当して『真面目が肝心』を上演しました。その時は舞台を転換しての3幕劇で上演をしました。その時に60分で3幕は厳しいというのと、セシリーとプリズムが2幕からしか登場しないのが勿体ないと感じました。

その後、いろいろ考えて思いついたのが、物語をロンドンだけで済ませることでした。ロンドンだけで済むんじゃないかと考えたのは、セシリーのようなタイプの娘であれば単身、ロンドンに乗り込んできてもおかしくはないだろうと思ったのがきっかけでした。セシリーと旅行鞄さえ、ロンドンに来てくれれば、もれなくプリズムは追ってくるだろうし、そうすれば物語のオチはつくわけで、何もウールトンの場面を作らなくても良いだろう、と。

・・・こういう所が古典を真面目に取り組む人に嫌われるのだろうとは思うのですが(^_^;・・・

そうしてアーネストの部屋とアルジャノンの部屋を舞台上に配置して、この2部屋で物語を進めるプロットを組み立てていったら、意外と上手くいったのでした。この2部屋版を更に1部屋に進化させたのが全国版となるわけです。なので、これが事実上のプロトタイプということになります。

さて、この時の2代目アーネスト(8回生)は新座柳瀬の『最強の主演男役』の1人です。この秋には「高校生に上手さはいらない」と言われる訳ですが(2年の秋に王子さまを演じて「高校生らしい元気の良さがない」と言も言われた訳ですが)、『まぁ、観てみてください』と自信を持ってお伝えできるぐらい、とってもチャームなアーネストを演じてくれています。また、フレディーを演じているのが入部2ヶ月、のちの2代目ドラントです。次週再配信のラブチャと比較してもらえると分かりますが、まだ発声が可愛い感じが残っていますが、この先輩のもとスクスクと成長していくことになります。ちなみに2代目ドラントは入学前から稽古に参加し、入学2週間後の春季演劇祭で上演した『Ernest!』の前編でデビューするという離れ業を成し遂げています。

また、この2人によるオープニングで念願だったコピスみよしのピアノを使うことに成功しました。コピスみよしにスタインウェイのピアノがあるのは知っていたので、いつかこのピアノを舞台上で使いたいと思っていたのですが、2代目ドラントがウッカリとピアノが弾けると口を滑らせたのを聞き逃すことなく、この場面にたどり着いたのでした。このピアノが(借り物ですが)新座柳瀬史上、最高額の舞台道具でした。

この作品で中心となっている8回生に引っ張られて、上達していった9回生・10回生が全国版の『Love & Chance!』の中心メンバーとなり、この上演で一つの完成形をみた『Ernest!』が全国版の『Ernest!?』のベースとなっていることを考えると、コンクール的には不遇でしたが新座柳瀬のスタイルを発展させてくれたのが、2代目アーネストが率いたこの時期だったと感じています。(稲葉智己)