クリスマスにシェイクスピアを!

ヴェニスの商人    (グラシアーノー アントーニオ・バッサーニオの友人)
ロミオとジュリエット (エスカラス ヴェローナの大公)
ジュリアス・シーザー (オクタヴィアヌス・シーザー シーザー死後の三頭)
十二夜        (ヴァイオラ 男装してシザーリオ)
リチャード三世    (リッチモンド伯ヘンリー のちのヘンリー七世)
夏の夜の夢      (パック、またはロビン・グッドフェロー)
マクベス       (マルカム ダンカンの王子)
ハムレット      (フォーティンブラス ノルウェー王子)

ウィリアム・シェイクスピアの作品のタイトルです。この順番には意味があります。何かというと昔々、僕が出演した順番です。カッコ内が演じた役の名前。シェイクスピアの作品に詳しい方はこれを見るとあることに気づかれると思います。

実はこの中で『十二夜』のヴァイオラを除く7役は作品の最後の科白を言う役なのです。自分の科白で芝居が終わるというのは、嬉しいようで嫌なものです。2時間半近い芝居の最後の最後に噛んでしまったらどうしようという恐怖が常につきまといます。

なかでも、『リチャード三世』のリッチモンドの最後の科白は最悪でした。『リチャード三世』のお客さんにとってのクライマックスはリチャードが「馬だ! 馬をくれ! 代わりにオレの王国をくれてやる!(A horse! a horse! my kingdom for a horse!)」と叫び、その直後にリッチモンドに討たれるところです。その後の勝ったリッチモンドの長科白なんて、映画で言えばエンドロールの下地に流れている映像のようなもの。ここで噛んだら興ざめです。本番では間違えませんでしたが、最後の通し稽古で噛んだのは今でもトラウマとして残っていて、たまに悪夢に魘されます。

一方、唯一楽しかったのが『夏の夜の夢』のパックの科白。「我ら役者は影法師(If we shadows have offended…)」から始まる科白はあまりに有名ですが、これは今でも覚えているぐらい覚えやすく言いやすい科白でした。この時だけは最後の科白を言う喜びがありましたが、それ以外は緊張の方が強かったものです。

さて、何故こんな話を書いているかというと、今年のクリスマス公演の演目をどうしようかと考えながら、家にあるの戯曲をひっくり返していたから。上に挙げた自分が演じた8作品は3種類ずつ以上の訳本が本棚に収まっていて存在感があるので、どうしても目につくわけです。

そして、ふと思うのです。そろそろシェイクスピアをやってみようかと。

とはいえ、そのまま上演すると2時間半~3時間ぐらいかかるし、登場人物も多いので、少しアレンジをしないと無理かもしれない。アレンジするとしたら、どの話が良いだろう。史劇は重いし、悲劇は暗い、クリスマス公演ならやはり華やかに喜劇だろうか。

・・・と考えて行き着いたのが『十二夜』。勘違いから生まれる幸せな話はクリスマスにも相応しいのではないだろうか。もちろん『十二夜』はシェイクスピアの喜劇と悲劇をつなぐ作品であるので喜劇の中では重めな話なのだが、そこは華やかに終われるように翻案してみよう。

・・・ということで今年、クリスマスに17年ぶり、シェイクスピアやります!


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