第65回埼玉県高等学校演劇中央発表会(御礼)

※提出書類作りに追われ遅くなりました。やっと第2弾まで発送したので・・・

11月19日・20日に第65回埼玉県高等学校演劇中央発表会が彩の国さいたま芸術劇場の大ホールで開催されました。全県11地区を5つのブロックに分けた審査を経て推薦された10校による上演。新座柳瀬高校は5年ぶりの参加となりました。

その結果、埼玉県からは最優秀賞を受賞された秩父農工科学高校さんと優秀賞を受賞した新座柳瀬高校が第52回関東高等学校演劇研究大会へ推薦されることとなりました。

中央発表会でお世話になりました全ての皆さまに御礼を申し上げますとともに、会場に足を運んでくださいましたお客さまにも感謝申し上げます。温かな雰囲気の会場での上演できましたことは、部員たちにとっても良い経験になったことと思います。ありがとうございました。

さて、ここからは身近な方々に延々と細かな御礼を申し上げていきたいと思います。5年に一度の総決算的なものなので長くなりますが、ご容赦を。

まず今年度、ブロック審査に来てくださったmomさんへ。巷ではmomさんの講評について色々と仰る方もいますが、僕にとっては、とても、とっても厳しいけれど(コピスの劇評などでは時々心折れることもあるけれど・・・)、ストレートで分かりやすく、とても参考になるものでした。momさんの講評は上演から見えたことや感じたことをストレートに表現してくださいます。これは上演から見えないことを邪推したことを述べたり、浅はかな知識をひけらかしたりするものより、紳士的なものだと思います。今秋の審査の講評で僕が特に参考にしたのは、早口の件とシルヴィアの魅力の件。

詳しくは久米谷dayory『西部A地区地区大会劇評②』を。

まず、早口の件。審査員の先生にこう言われたら、削った方が良いと思う人も出てくると思います。でも、僕は削りませんでした。なぜならば、僕は早い科白回しによる言いあいを聞かせたいと思っていたからです。だから、momさんが『少し早すぎる』と感じたのならば、早さが気にならないようになるまで科白の言い方を磨くべきだと考え、その方向で取り組んできました。まだ、早い方に偏っていると思いますが、早い中で納得してもらえる表現を探りたいと思っています。

他方、シルヴィアの魅力の件。『わがままな金持ちどうしの恋愛譚を見せられたって、幸せな気持ちになる人はいないです』と言われたら、どうしましょうか? 今回の作品ならばアルルキャンとリゼットの庶民コンビに焦点をあわせれば良いのでしょか? もちろん、そんなわけはありません。物語の中心として表現したいのはドラントとシルヴィアの貴族コンビであるし、原作もこの2人の話が中心で成り立っています。ならば、目標としたいたことが伝わらなかったことが分かったのだから、作品のバランスを調整して、貴族コンビを微笑ましく感じてもらえるようにすべき。なので、作品全体の中でドラントとシルヴィアが一緒にいる時間を地区の2倍近くに増やし、作品全体の中で2人の距離が縮まっていく様子を丁寧に描くように改めました。ラストシーンの拍手を頂いたタイミングを観ると、『ドラントとシルヴィア』の結末にある程度は納得して頂けたのかなと思っています。

つまり、何を言いたいのかというと、今回のウチの芝居を良いと思ってくれた方がいたとしたら、その影にはヒントを与えてくださったmomさんの劇評があったということを知っておいて頂きたいということです。momさんの講評は耳が痛いものかもしれないけれど、自分の表現したかったことと、観客に見えているもののギャップを知ることのできる、的確な指標だと思っています。いつも、ホントにありがとうございます。また、これからもよろしくお願いいたします。たまには褒めてください。

続きまして、川西のUさん。Uさんは今回の芝居、大変喜んでくれました。公演の夜も劇場での行事が終わるまで待っていてくださって、嬉しそうに芝居の感想をたくさん聞かせてくださいました。Uさんはどちらかというと、お芝居の良し悪しの観点が僕に近い方なので、Uさんが褒めてくださるときは多分、目指している方向で仕上がってきている時だと思っています。

Uさんの言葉で印象に残っているのは、10年前の中央発表会の時に『意外と芝居の型が古い』と言われたこと。どうも作風からか奇抜なことをしていると思われることが多いのですが、意外と基本に忠実と仰って頂いたことは、演出をし始めたばかりの僕に取って、とても励まされるものでした。

たぶん、ネットはご覧にならないと思うので、気づかれることもないかもしれませんが、コピスや中央など、事ある毎に観に来てくださることにとても感謝しております。ありがとうございます。

続きまして、芸総のI先生。顧問になった初期からお世話になり、今年は審査にもご一緒して、色々と勉強させて頂きました。I先生に会うと、いつも勉強しなきゃと思います。ストイックに演劇に取り組む姿勢を観ると、我が身を振りかえって反省します。今回は学校のお仕事の都合でウチの芝居は観ていただけなかったようですが、またいつか観て頂けたときにはお話を聞かせてください。いつも、ありがとうございます。

続きまして、県坂のSさん、農三のりゅう先輩、星野のMさんなどコピス組の皆様方、地元の西部A地区の皆様方。今回は間違いなくアウェーの会場のはずなのに、良く知った学校の皆さんがいてくれたことで、とても落ち着いて公演に臨むことができました。大の人見知りの僕は、ふとした瞬間に良く知った方々の顔が見られると、とてもホッとします。しかも、特に今回はウチを含めた4校が、まさにコピスで好評だったタイプの作品で中央に進んでいたことがとても嬉しく、コピス15周年の年が良い形で締めくくれたような気がしています。ありがとうございます。来年も地区発表会、コピスでよろしくお願いします。

続きまして、新潟のM小父さん。あと1年早ければ埼玉で観てもらえたのにと思うと残念でなりませんが、新潟に行かれてしまった年の新潟に作品を持って行けるというのは何かの縁なのかとも思います。特に『ビューティフル・サンディ』以降の3年間はずっと励まし、作品についてのアドバイスをくださいました。まぁ、僕も頑ななので、アドバイスを生かし切れていないわけですが、『階段を降りること』についての考察は今回の作品に生きていると、勝手に思っています。また、アドバイスをください。いつも、ありがとうございます。

続きまして、ainurさん。お立場もあるのであまり色々は書きませんが、生徒たちはキットカットの差し入れを喜んでおりました。また、慣れない場所で良く知った先生がいるというのはそれだけで安心感があったようです。ありがとうございました。関東大会では5年前に引き続き2度目のご挨拶回りを覚悟しておきます。

続きまして、大宮(坂戸)の小父さん。常に暖かく見守ってくれていることに感謝という言葉では済まないほどの感謝をしています。良くここにも書きますが、大宮の小父さんとの出逢いは演劇部の顧問になった最初の年の5月、熊谷会館のロビーでのことでした。以来12年、色々と気に掛けて頂いています。今回は風邪で体調の優れぬ中、会場にも観に来てくださいました。チョコレートの差し入れ、部員達は喜んでおりました。

お気づきの方もおられましょうが、今回のウチの芝居も照明のCueがとても多かったのです。中央発表会では事前のCue番号が各校に80番ずつ割り当てられるのですが、今回のウチのCueの数は80、割り当てを全て使い切りました。もう少しで小数点突入・・・ 最初はCueの数を減らすために、上前・中前・下前のエリアの暗い明かりを付けっぱなしにしようかとも思ったのですが、あとで後悔するような気がしたので、当初プランで通しました。

でも、その点での不安はありませんでした。何故なら、もっと複雑な照明で淡々とCue確認をしていた姿を近くで見せて頂いていたからです。あの筑波大坂戸の繊細な照明に比べれば、エリアを切り替えていくだけのCueが確認し終わらないことなんてないと思っていました。案の定、芸術劇場の素晴らしいスタッフの皆様は、あっという間に仕込みを済ませてくださり、Cueの確認も30分と少しで完了させてくださいました。

10年前に連れて行ってくださって以来、どうも縁のある新潟へまた行ってきます。あの劇場に行くたび、舞台の真ん中に缶を持って立つTさんの姿と宝くじ屋でタバコを燻らすTさんのが思い出されます。いつかあんな美しい構図を持った芝居が作れるようにというのが目標ですが、まだまだ先のこと。とりあえずは今できる精一杯のことをしてきたいと思います。

続きまして、yassallさん。natsuさんと双璧を成す西部A地区の御大。いつも見守って頂いて、ありがとうございます。やっぱり、継続して見続けてくださる方がいるのはありがたいことで、自分の気づかないような変化も敏感に察知してくださり、伝えてくださるのは自分の作品を客観的に見直すために、とても参考になります。

yassallさんは今年も審査に行かれましたが、審査の時だけ高校生の演劇を観ているわけではありません。コンクールとは関係ない春祭も毎回欠かさず来てくださっていますし、コピスみよしも、時には学校での校内発表にまで足を運んでくださっています。僕のような怠惰な現役顧問よりも沢山の作品に触れていらっしゃるし、退職されても尚、このような関わりを持っていてくださるというのは大変ありがたいことだと思います。今回も地区には審査に、中央発表会には公式な記録係としてカメラの腕を振るわれていました。

日頃、温和なyassallさんが今回の中央発表会に向けての地区審査のことについてブログで色々と書かれています。きっと、何かの経緯で憤るところがあったのだと拝察しています。僕とyassallさんは芝居の作り方も好みも観る視点も随分違います。たぶん、一緒に審査に行けば選考はもめると思います。しかし、yassallさんの観点は経験と知識に裏打ちされ、確立されたものだと思っていますし、少なくとも間違った知識で作品を批判したり、『高校生らしい』と訳の分からない指標を持ち込んだりされることもありません。これからも鋭い角度からの劇評をよろしくお願いします。いつも、ありがとございます。

最後にnatsuさん。僕のことを知る方々であれば、僕はnatsuさんの最後の赴任校の演劇部を引き継いでいることからも、西部A地区やコピスみよしなどでの経緯からも、natsuさんの系譜に連なると目されるのだろうし、実際、概ねそういうことなのだろうと思います。とはいえ、特段何かを引き継いでいるわけではありませんし、慎ましやかなnatsuさんは発表会以外で稽古場に来たりすることもありません。

natsuさんについて色々と書き出すと長くなってしまうので、今回の作品に的を絞ります。今回の作品につながるnatsuさんのアドバイスは2013年のコピスに遡ります。あの時の演目は『オズの魔法使い』シリーズを脚色した『D Lover』。そして、この作品から始まったのが『セカンド・ペアの行方』を巡る問題提起で、この時はジャックとジンジャー。その後、『Alice!』の帽子屋とチェシャ、『Ernest!』のアルジャノンとセシリーなど、主人公のペアに続くセカンド・ペアの扱いが悪いということ。

柳瀬に異動してからの作品群はもちろん宝塚がお手本になっています。そのためか宝塚的文法に従って最後はトップコンビに絞り込みがちになります。それに対して、natsuさんはずっとセカンド・ペアの重要性を指摘されてきました。この秋の地区発表会でも『アルルキャンとリゼットのコンビをどうにかしなさい』と。今回はnatsuさんだけでなく、yassallさんも、大宮の小父さんも、momさんも同意見だったので、いよいよもって書き換えたのが中央発表会でのラストシーンでした。

つまり、何を言いたいのかというと、今回のウチの芝居を良いと思ってくれた方がいたとしたら、その影にはずっと見守ってくださっているnatsuさんがいると言うことと、natsuさんは特段、ウチだけを見守っているわけではなく、西部A地区やコピス組も見守ってくれているということです。もう1つは見慣れたジャンルとしての『高校演劇』的ではないウチのような芝居に対しても、否定から入るのではなく、その芝居の良くなる方向性をきちんと考えた上で意見を述べてくれていることです。

物言いが率直なので、耳が痛い部分はたくさんあると思います(ウチだって台本を書き始めた頃はボロボロでしたし、直近のコピスの評もボロボロです)。しかし、それに腹立つのが先に立って、聞く耳を持てないのは残念なことです。natsuさんの劇評とちゃんと向き合って、作品を振りかえってみると作品作りで足りなかったところが見えてきたりすると思います。もちろん、言われたとおりにするというのも、また違うと思うので、あくまで最後は顧問と生徒が考えなければならないと思いますが。

ホントは作品選びに言いたいことも、たくさんあるのだろうと思いますが、そこは堪えて見守ってくれていることにも感謝しています。でも、たぶん僕には農三さんや坂戸さん、星野さんのような高校生の魅力を活かすような芝居は作れないと思うので、もう暫く、地道に技術を磨いて魅せる芝居を目指そうと思います。なかなか言うことを聞かない跡継ぎですいません。でも、これからもよろしくお願いいたします。

・・・・と長くなってしまいましたが、今回の中央発表会を終えての御礼でした。5年前は中央発表会で芝居的には終わってしまったのですが、今回は(色々あったので)まだまだ為すべきことがたくさん残っています。

為せば成る、為さねば成らぬ。成る業を成らぬと捨てつる人の儚さ。

関東に向けて頑張ります。


第65回埼玉県高等学校演劇中央発表会(御礼)” への6件のフィードバック

  1. 関東大会、がんばって下さい。たぶん行けないだろうと思いますが、埼玉の地から応援しています。中央大会では、何かと心がけてくださって、ありがとうございました。来年のコピスでも、よろしくお願いいたします。

    1. コメントありがとうございます。
      中央発表会、お疲れさまでした。来年も農三らしいお芝居でコピスのお客さまを沸かしてください。楽しみにしています。関東前に試演する予定なので、もしお時間があえば是非。また、ご案内差し上げます。

  2. きみに、言うことを聞いてほしいと思ったことはない。人の言うことはちゃんと聞いているくせに、聞き入れるかどうかというところではしっかり自分の判断を持っている。頑固な奴なのだ。だから、言う甲斐があるということかもしれない。
    たぶん、昔のわたしもそうだったような気がする。きみが生徒と、他の誰にも作れないようなものを作っているから見ていたいのだ。わたしの応援はそういうものだと思う。

    1. コメントありがとうございます。
      僕がnatsuさんから受け継いでいるものがあるとすれば、関東や全国に行ったnatsuさんが最後に行き着いた高校演劇の姿である、内向きになりがちな高校演劇を一般のお客さまに開いていく、かつてのミューズや今のコピスみよしのようなスタイルなのかなと思っています。それに早い段階に触れることができたことは、僕にとって、とても幸せなことだったのだと思います。
      しかし、それは僕だけではなく、今回の中央発表会でコピス組の学校がそれぞれの個性で、会場を沸かし切ったことを見れば、着実に広まって、それぞれに定着しているのかなとも思います。
      直近は関東ですが、その先の春、特にコピスに向けても頑張ります。

  3. つい先ほど自分のブログの文章を編集し直したところです。「憤り」からではなく、どこかで誰かが書かなくてはならないと思ってのことでしたが、文章に乱れがあるということは多少とも心も乱れていたのかも知れません。智さんの文章を読むと、人との接し方、距離のとり方は、「頑な」どころか、どこで手に入れたものか、深い理解力に富んだ柔軟さを感じます。後生畏るべしというところですが、気遣いにあふれた温かいことばをありがとうございました。私はけっこう智さん芝居のファンです。それは、またそこが違うといわれそうですが、いつもベースにヒューマンなものが流れているからです。もう間近ですが新潟の舞台で部員たちを輝かせてやって下さい。(Mさんに会ったらよろしくお伝え下さい。笑)

    1. コメントありがとうございます。
      今回の御礼は良く知った方々への御礼ですので、距離感とかは自然と出来上がったものかなと思います。元々は人見知りなので、慣れない場に出るとオドオドするのが常です。
      作品についてはどうでしょう。最近は原作をとっていることが多いので、元々の作品の持つ魅力が支えてくれているのかなと思いますが、色々な経緯がありながらもコミュニケーションが成り立っている人々の姿を描いた作品が多いから、そのように感じられたのかなとも。なので、違うとは思いません。
      また、お声をかけさせて頂きますので、観に来てください。よろしくお願いします。

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